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松村 達郎
機能材料, 40(1), p.60 - 71, 2020/01
原子力発電所の使用済燃料の長期放射性毒性は、原子力利用における本質的課題である。一つの解決法として、長半減期核種を分離し、短半減期あるいは安定核種に核変換する「分離変換技術」の開発を進めている。重要な開発要素の一つである高レベル廃液からマイナーアクチノイド(MA)を分離する溶媒抽出プロセスである「SELECTプロセス」を開発した。この研究開発では、SELECTプロセスを実現するために必要となる新しい抽出剤を開発し、分離プロセスの構成を検討して実高レベル廃液を用いた技術実証を行った。本稿では、これらの背景と開発の現状、各国の状況などを概説した。
岩月 仁
機能材料, 37(3), p.38 - 45, 2017/03
本報は、高温ガス炉を用いた熱利用技術開発の動向について解説したものである。高温ガス炉による熱利用について、高温ガス炉の概要、固有の安全性、高効率な熱利用、広範囲な熱利用分野の可能性について述べるとともに、熱利用技術の一端であり原子力機構で実施中のガスタービン発電、ISプロセス水素製造に関する技術開発状況のほか、経済性、将来の展望について概説した。
田中 裕久*; 西畑 保雄
機能材料, 27(7), p.61 - 70, 2007/07
自動車触媒の活性成分である貴金属が、排出ガスを浄化しながら自らもリフレッシュして高い活性を維持する「インテリジェント触媒」は、2002年にパラジウム系,05年にロジウム系,06年に白金系が実用化され、その搭載車の累計は300万台を超えている。この触媒技術は貴金属資源と環境維持を両立するソリューションとして期待されている。また、シンクロトロン放射光を用いた最先端の研究手法を実用材料の開発に直接活用した産学官協力事例としても注目されている。
吉井 文男
機能材料, 20(6), p.36 - 41, 2000/06
ポリエチレンオキサイド(PEO)、ポリビニルアルコール(PVA)及びポリビニルピロリドン(PVP)ハイドロゲルは、水溶液の放射線照射の橋かけにより合成するのが一般的であった。しかし、PEOのように分子運動性が活発な溶融相(60以上)の照射では、橋かけが起きやすくなり、高純度のハイドロゲルが得られる。ハイドロゲルは水を多量に含有するため、耐熱性やゲル強度の低いものがほとんどである。PVAのようにアセタール化により照射の前に分子鎖を軽く固定し、照射を行うと橋かけが効率的に起き、強靱なハイドロゲルが得られる。PVP/カラギーナンブレンドでは、放射線分解したカラギーナン分子がPVP鎖にグラフトしゲル強度の高いハイドロゲルが得られる。このように複合的な照射により優れた機能をもったハイドロゲルが合成できる。
新藤 雅美
傾斜機能材料, 0(19), p.14 - 17, 1992/12
「研究紹介」として上記の標題で、SiOとCの化学反応及びCVDによる表面SiC被覆を組み合わせたSiC/C傾斜組成層を有した黒鉛材料(SiC/C傾斜組成材料)の試作及びその熱サイクル試験も含めた耐酸化性評価試験の現状を紹介する。
山岸 滋
高機能材料を拓く; ゾルーゲル法の現状と展望,1992, p.122 - 127, 1992/00
本総説は、「技術情報サービス懇談会」のゾルゲル法リポート刊行会が発行する、「ゾルーゲル法の現状と展望」と題するパンフレットの第3章ゾル-ゲル法の革新的側面の第1節新化学としてのゾル-ゲルの一部を構成するものである。核燃料製造におけるゾルゲル法の応用例を簡単に概説している。
奥村 義和
機能材料, 0(7), p.42 - 53, 1989/07
広い面積から大電流のイオンビームを発生する技術が、核融合プルトニウムの加熱用に急速に進展してきた。現在では、多極磁場型プラズマ源と多孔型電極を用いて、イオン源単体として100KeV、100A級のイオンビームを準定常的に発生させる技術が確立されている。工業的な応用を念頭に、これらの大電流イオン源の技術を概説する。